インフラエンジニア

インフラエンジニアはコード書かない?書けない人の不安に答えます!

インフラエンジニアはコード書かない!?書けない人の不安に答えます!
インフラエンジニアってコードを書かないって聞いたけど、本当なの?
「自分はプログラミングが苦手だけど、それでもエンジニアになれるのかな?」

そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、現役のインフラエンジニアとしての実体験をもとに、「インフラエンジニアは本当にコードを書かないのか?」「コードが書けない人でも目指せるのか?」という疑問に答えていきます。

結論から言うと、インフラエンジニアはほとんどコードを書きませんし、書けなくても十分活躍できます。
ただし、時代の変化とともに「少しだけ書けた方が便利」という側面もあります。

それでは、詳しく見ていきましょう。

1. インフラエンジニアって何をする人?

まずは、「インフラエンジニアとはどんな仕事をする人なのか?」について説明します。

インフラエンジニアは、ITシステムの土台となる“インフラ(基盤)”を設計・構築・運用する仕事です。
この「インフラ」とは、主に以下のような要素を指します:

  • サーバー(WindowsやLinuxなど)
  • ネットワーク(ルーター、スイッチ)
  • ストレージ
  • 仮想化環境(VMware、Hyper-Vなど)
  • クラウド(AWS、Azureなど)

たとえば、社内システムやWebアプリが安定して動くように、必要なサーバーやネットワークを設計し、実際に機器を設定・構築していくのがインフラエンジニアの役割です。

また、障害が起きたときの原因調査や対応、セキュリティ設定、システムの監視やメンテナンスなど、システムの裏側を支える“縁の下の力持ち”でもあります。

私自身も、これまでサーバの設計構築や運用保守を中心に経験してきました。
最初は右も左もわからない状態でしたが、チームのサポートを受けながら少しずつ成長し、今ではインフラの現場で安定稼働を支える役割を担っています。

2. 実際の現場では、コードは書く?書かない?

ここが一番気になるところだと思います。
結論から言えば、インフラエンジニアは基本的に「コードは書きません」
書きませんというより、書くような仕事ではないというのが正しいです。

もちろん、時と場合によってはコードを書くこともありますが、それは「業務を自動化するため」など、限られたシーンです。しかも、開発エンジニアが扱うような本格的なプログラミングではなく、以下のような簡易スクリプトが中心です:

  • バッチファイル(.bat)
  • PowerShellスクリプト(.ps1)
  • シェルスクリプト(Bashなど)
  • Python(システム監視やログ収集のちょっとした自動化など)

私自身、現場でコードを書いたことは一度もありません。
ただし、スクリプトを読むことはよくあります。

例えば、「このスクリプトがどういう流れで処理しているのか」「どの設定が自動で変わるのか」といったことを理解するために中身を読むことは日常的です。

実際の現場では、PowerShellスクリプトやバッチファイルを使って、日次でサーバのログ取得やバックアップ処理を行っているケースも多いです。

また、最近ではAnsibleを使って構築作業を自動化し、テスト工程も効率化できる仕組みが導入されていることが増えてきました。

特にAnsibleやTerraformといったIaC(Infrastructure as Code)ツールは、複数の現場で使われており、同じ手順・同じ品質で構築作業ができるため、標準化や品質維持の面でも非常に重宝されています。

ただし、こうしたツールも一からコードを書くというよりは、テンプレートを活用して設定値を調整する程度です。なので、コード未経験者でも十分に使いこなせます。

3. 書けなくてもインフラエンジニアになれる理由

ここまで読んで、「やっぱりちょっとはコードを書くんだな…」と不安になった方もいるかもしれません。

でも、大丈夫です。
インフラエンジニアは、コードが書けなくても問題なくキャリアをスタートできます。

私自身、未経験からシステムエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
入社してからの3ヶ月間の研修では、プログラミングも学びましたが、実際に配属されたのはインフラの現場。

毎日サーバと向き合い、手順書を見ながら設定をしたり、障害時の対応をしたりする日々が続きました。

正直、研修で覚えたプログラミングの知識は、ほとんど使う機会がなかったため、忘れてしまった部分も多いです
それでも、「コードが書けなくて困った」「読めなくて仕事にならなかった」という経験は一度もありません。

今は便利な時代で、ネットを調べればスクリプトのサンプルコードがたくさん見つかりますし、ChatGPTのようなAIツールを活用すれば、一瞬で自動化スクリプトを作成できます。
つまり、「コードが書けない=仕事にならない」ではないのです。

むしろ、サーバやネットワーク、クラウドといったインフラの基礎知識の方が何倍も重要だと日々感じています。

4. 書けない人がインフラを目指すときのアドバイス

「コードが苦手だけど、インフラエンジニアになりたい」
そんな風に思っている方に向けて、いくつかのアドバイスをお伝えします。

まず第一に、書けないことはハンデではないということ。
私自身、まったくコードを書かずに業務をこなしてきましたし、現場の多くの先輩方も「コードは読めるけど書けない」という方がたくさんいます。

そして、慣れてくれば自然とコードに対する抵抗も減ってきます。
最初は意味がわからなかったスクリプトも、「あ、これはログを取ってるだけか」「条件分岐で処理を分けてるのか」など、だんだんと読み解けるようになっていきます。

それよりも大事なのは、インフラエンジニアとしての基礎知識をしっかり身につけることです。
たとえば:

  • WindowsやLinuxの基本操作
  • サービスの起動・停止、ログの見方
  • ネットワークの基礎知識(IPアドレス、ポート番号、Ping など)
  • クラウドサービス(AWSなど)の基本構成

こういった知識があるだけで、現場での理解度が格段に上がりますし、「この人わかってるな」と信頼されるようになります。

スクリプトやコードに関しては、焦らず、少しずつ慣れていけばOKです。
書けるようになれば確かに便利ですが、それは後から身につけていけば十分です。

5.インフラエンジニアにおすすめのプログラミング言語

ここまで、インフラエンジニアはコードが書けなくても大丈夫、という話をしてきました。
しかし実際には、コードが少しでも書けるようになると、業務の幅が広がるだけでなく、自動化や効率化によって現場での価値もグッと高まります。

「書けないとダメ」というわけではありませんが、「書けると強い」のが今のインフラエンジニアです。

では、インフラエンジニアとして身につけておきたい言語はどんなものがあるのでしょうか?
私自身の体験を踏まえながら、特におすすめしたい3つの言語をご紹介します。

① PowerShell(主にWindows環境で使用)

PowerShellは、Windows環境で使用される強力なスクリプト言語です。
インフラエンジニアであれば、Windows Serverを扱う機会が多いので、覚えておいて損はありません。

特にActive DirectoryやExchange ServerなどのWindows系ミドルウェアを扱う際には、PowerShellの知識があるととても便利です。

私自身も以前、Active Directoryを使った検証環境を構築していたときに、以下のような作業をPowerShellで自動化しました

  • OU(組織単位)の作成

  • ユーザーやセキュリティグループの一括登録

  • 簡易的な設定の自動反映

このような作業は手動でもできますが、数が多くなると非常に手間がかかります。
PowerShellを使えば、CSVファイルから読み込んで自動登録するなどのスクリプトも簡単に作成できます。

② Bash(主にLinux環境で使用)

Bashは、LinuxやUNIX系OSで広く使われているシェルスクリプト言語です。
サーバーの運用や構築の現場では、Linuxを扱うケースが非常に多いため、Bashスクリプトの習得は大きな強みになります。

定型作業やログのローテーション、定期的な監視・通知処理など、毎日手で行うと面倒な作業を自動化するのに最適です。

③ Python(汎用性が高く、学習コストも低い)

Pythonは、シェルスクリプト(BashやPowerShell)と同様のことができるだけでなく、より構造的に、保守性高く記述できる言語です。

さらに、テストの自動化やツール作成、クラウドの操作(AWS CLIやSDKなど)との連携にも強く、現代のインフラエンジニアにとって非常に相性が良いです。

Pythonの中でも特に「pytest」を使えば、単体テストコードを記述して、運用系の確認ミスやテスト漏れを防ぐといった応用も可能です。

Pythonとシェルスクリプトの比較でよく言われるのが次のような違いです:

項目 Python Shell (Bash/PowerShell)
保守性 高い(仕組み化しやすい) 低め(書く人のスキルに依存)
書きやすさ 習得しやすい 基本は簡単だが、可読性や構造が複雑になりやすい
拡張性 高い(外部ライブラリ豊富) 低め(環境依存が大きい)

私の感覚では、Pythonは仕組みさえ作ってしまえば、あとはとても扱いやすい言語です。
インフラの自動化や業務効率化を、より確実に、安定して実現したいなら、Pythonの導入は非常におすすめです

6. まとめ

今回は「インフラエンジニアはコードを書かないのか?」「書けない人でもなれるのか?」というテーマで、実体験を交えて解説しました。

まとめると、以下のようになります:

  • インフラエンジニアはコードを書く機会がそもそも少ない
  • 書くとしても簡易的なスクリプト程度で、高度な技術は求められない
  • 書けなくても現場で困ることはほとんどない
  • むしろインフラ知識(OS、ネットワーク、クラウド)の方が重要
  • AIやツールの力を借りれば、スクリプトも簡単に扱える

「自分にはプログラミングのセンスがないから無理かも…」と悩んでいる方は、それだけで諦めるのはもったいないです。
インフラエンジニアの世界は、知識+経験で着実に成長できる世界です。

最初は不安でも、手を動かしながら学べば必ず前に進めます。