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文系からシステムエンジニアはきつい!?現実を語る

システムエンジニアになりたいけど、文系学部出身でITの知識も経験もゼロ。プログラミングもわからないし、情報系出身の人たちとやっていけるのか不安…おまけに、文系からじゃ難しいって聞くし。

正直、その気持ちめちゃくちゃわかります。僕自身、まったく同じ状況からシステムエンジニアになりました。この記事を読んで、『自分にもできるかもしれない』と少しでも前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいです!

1.文系からエンジニアを目指せる理由

1-1.数学の知識は必要ない

エンジニアと聞くと理系の仕事というイメージが強いかもしれません。
特に文系の方はエンジニアになるには数学ができないといけないのでは?と不安に思うことも多いでしょう。しかし、結論から言うとエンジニアになるのに高度な数学の知識はほとんど必要ありません。

えっ!必要ないの!?

実際、私自身も数学が苦手な文系出身ですが、仕事をする上で高度な数学を求められたことは一度もありません。もちろん、統計解析や機械学習を扱う分野では数学の知識が必要になることもありますが、多くのエンジニアは数学と無縁です。

必要なのは、せいぜい四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)くらいです。そのため、「数学が苦手だからエンジニアは無理かも」と心配する必要はありません。

1-2.高度な情報系の知識は必要ない

これは文系だけでなく、非情報系学部出身の方にも共通する話ですが、エンジニアになるのに情報系学部で学ぶような高度な知識は必須ではありません。

たとえば、情報系学部ではOS(オペレーティングシステム)やネットワーク、コンピュータの仕組みなどを学びます。しかし、実際の仕事では、それらをすべて知っている必要はなく、自分の担当分野に関連する知識だけを身につければ十分です。

エンジニアの仕事は、大きく3つのレイヤー(階層)に分かれています。

レイヤ 仕事内容
インフラレイヤー(基盤層) サーバーやネットワーク機器などの物理インフラを設計・構築するチーム
プラットフォームレイヤー(ミドルウェア層) OS、仮想化環境、データベース、コンテナなどを管理するチーム。
アプリケーションレイヤー 業務アプリケーションの開発・運用を担当するチーム。

たとえば、インフラエンジニアを目指すならOSやネットワークの知識はある程度必要ですが、アプリケーション開発に関する知識はそこまで必要ありません。逆に、開発系エンジニアを目指すなら、OSやネットワークの知識は深く理解する必要はなく、プログラミングスキルの方が重要になります。

全部知らなきゃいけないと思ってた、、、

実際、私はインフラエンジニアとして働いていますが、プログラミングについてはほとんど知識がありません。それでも、必要になったときに調べながら簡単なスクリプトを書ける程度の理解があれば問題なく仕事ができます。このように、すべてを知っている必要はなく、必要になったときに学べばOKという考え方が大切です。

1-3.実務による社会人力が大事

エンジニアというと、プログラミングや技術がすべてと思われがちですが、実は技術以上に重要なものがあります。それは社会人力です。

システムエンジニアの仕事は、単にプログラムを書くことではなく、システムを通じてお客様の課題を解決することです。そのため、技術はあくまで手段であり、本当に求められるのは問題を見つけ、解決策を考える力 です。

技術力は、勉強すれば誰でも身につけることができます。しかし、問題解決力や課題発見力といった社会人力は簡単には身につきません。そのため、文系・理系に関係なく、実務経験を積むことで成長できるポイントが多いのです。

エンジニアになりたての頃は、技術力さえあれば十分だと思い、ひたすらインフラの勉強に励んでいました。しかし、実際に仕事を進める中で、お客様の要望を正しく理解し、予算や課題を踏まえた最適な提案を求められる機会が増えました。そうした場面では、単に技術力があるだけでは不十分で、相手の立場を考えたコミュニケーションや調整力が求められることを実感しました。

技術で勝てない分、社会人力で勝とう!

1-4.文系エンジニアは意外と多い

エンジニアは理系が多いというイメージは正しい部分もあります。実際に私の同期のほとんどは情報系学部出身でした。

しかし、現場に配属されると、意外にも文系出身の先輩や中途入社の方が多いことに驚きました。調査データによると、新卒エンジニアの4人に1人は文系出身 という結果も出ています
https://levtech.co.jp/research/404017/

このデータからも分かるように、IT業界は未経験の文系出身者を受け入れる体制が整っている業界です。研修や学習環境も充実しており、文系でも安心してエンジニアを目指すことができます。

文系も多いから安心してね

2.文系エンジニアの強み

2-1.コミュニケーション能力

文系出身のエンジニアにとって、コミュニケーション能力は大きな強みになります。エンジニアというと、黙々とプログラムを書いたり、システムを構築したりするイメージを持たれることが多いですが、実際の業務では、社内のメンバーやお客様と密にやり取りをしながら仕事を進める場面が多くあります。

専門性が高いからこそ、メンバー間でのコミュニケーションが多くなるよ

特に、システム開発やインフラ構築のプロジェクトでは、お客様の要望を的確に理解し、それを設計や実装に反映させることが重要になります。その際、技術的な説明を分かりやすく伝えたり、逆に専門用語が多いお客様の話を整理して理解したりする能力が求められます。

また、チームでの開発やインフラ構築では、設計方針のすり合わせやタスクの調整が必要になるため、他のエンジニアと円滑にコミュニケーションを取る力も求められます。

私自身、要件定義や設計の場面で、お客様の業務内容をヒアリングし、それを技術的にどう実現するかを社内で調整する機会が多くあります。その際、専門用語をかみ砕いて説明したり、お客様の本当に求めていることを引き出したりする力が役立っています。

社内調整ばかりで、1日が終わることも、、、

技術力は後から学べますが、コミュニケーション能力はすぐに身につけられるものではありませんので、ぜひ活かしてみてください

2-2.英語力

文系エンジニアにとって、英語力は大きな武器になります。IT業界では、技術ドキュメントや公式マニュアルの多くが英語で書かれており、英語ができることで情報収集の幅が大きく広がります。

もちろん、現在は翻訳ツールが発達しているため、英語ができなくても情報を得ることは可能ですが、原文を直接理解できるほうが、より正確で迅速に情報をキャッチできます。

特に、新しい技術は英語の情報が先行することが多く、日本語に翻訳されるまでに時間がかかるケースもあります。そのため、英語のドキュメントを読めるだけで、最新の技術にいち早くキャッチアップできるのは大きなメリットです。

また、英語力があれば、外資系企業や海外プロジェクトへの参画といったキャリアの選択肢も広がります。グローバルに働ける環境を目指す場合、英語は避けて通れませんし、外資系企業では高い給与水準が期待できるため、キャリアアップや年収アップの観点からも英語力は大きな強みになります。

私自身、普段から英語のドキュメントを読む機会が多いのですが、もっと英語ができればスムーズに理解できるのにと感じることがよくあります。英語ができる人のほうが情報収集のスピードも速く、強みになると実感しています。エンジニアとして成長するうえで、英語に触れる習慣をつけることは大きな武器になりますし、英語ができることでキャリアの選択肢も広がるので、少しずつでも学んでおくことをおすすめします。

英語ができるだけでも、大きなアドバンテージ!

2-3.文系のバックグラウンドを活かす

エンジニアとして働く上で、お客様の業務を理解することは非常に重要です。一見、文系の学びはITとは関係がないように思えますが、実は業務理解の面で大いに役立つことがあります。

例えば、私は大学で地理学を学んでいたため、地図情報を扱うシステムや気象データを活用する案件に関わる際に、その知識が活きました。地図の仕組みや空間データの概念を理解していたことで、お客様の業務内容をより早く把握でき、要件定義の場面で貢献することができました。

地図と気象ができるという理由で採ってもらえました

同じように、大学で経済・経営を学んでいた人であれば、会計システムや経営分析のシステムを扱う際に強みを発揮できるでしょう。また、法学を学んでいた人は、法律やコンプライアンスに関わるシステム開発の場面で役立つこともあります。さらに、英語を専攻していた人は、グローバル企業のシステム導入や海外案件で活躍できる可能性があります。

エンジニアの仕事は、ただ技術を扱うだけでなく、お客様の業務課題を理解し、適切なソリューションを提供することが求められます。そのため、自分の文系的なバックグラウンドを活かせる分野を探し、それを強みとしてアピールすることで、より価値のあるエンジニアになることができます。

「文系だからエンジニアに向いていない」と思うのではなく、自分の学んできたことをエンジニアとしてどう活かせるかを考えることが大切です。実際に、私の職場にもさまざまなバックグラウンドを持つエンジニアがいて、それぞれの強みを活かしながら活躍しています。自分の得意分野を見つけ、それを技術と組み合わせることで、文系ならではの強みを発揮できるはずです。

3.文系エンジニアの弱み

3-1.プログラミングや情報系の知識が乏しい

多くの文系出身者は、大学でプログラミングや情報技術について学ぶ機会が少ないため、
情報系の学部出身者と比べると入社時点で大きな差がついてしまいます。

私自身、大学ではプログラミングやITの知識を学んでいなかったため、新卒入社時には情報系出身者との実力差を痛感しました。入社前後で技術研修を受けましたが、専門用語が飛び交い、何を言っているのか正直まったく分からない状態でした。そのため、入社後も自分で勉強し続ける必要がありました。

自分だけ分かっていないのがマジできつかった、、

文系出身でエンジニアを目指す場合、この知識の差を埋める努力は避けて通れません。しかし、勉強を継続すれば確実に追いつくことができるので、焦らず着実に学んでいくことが大切です。

3-2.論理的思考・プログラミング的思考が劣っている

文系出身者は、理系出身者と比べて論理的思考やプログラミング的思考が弱いと言われがちです。これは、文系と理系で学ぶ内容やアプローチが大きく異なるため、ある程度は仕方のないことです。

最初はロジックを組むのがほんと苦手でした

理系の学問は、定義・仮説 → 証明・検証 → 結論 という流れで論理的に構築されていきます。数学や物理では、決められたルールのもとで物事を筋道立てて考える力が養われます。一方、文系の学問は歴史・経済・文学など多岐にわたり、結論が一つに決まらないことも多く、論理的思考を鍛える機会が少ない場合があります。

エンジニアとして仕事をする上で、論理的思考は非常に重要です。特に、プログラムを書く際には、「この処理の次に何が起こるか」を正しく考え、ミスなく実装する力が求められます。

文系出身者は最初は苦戦するかもしれませんが、プログラミングを学びながら少しずつ論理的思考を鍛えていくことができます。実際、私も最初は苦手でしたが数をこなしていくうちに、ロジックを考える力が身についてきました。

4.文系からエンジニアを目指すうえで大事なこと

4-1.技術を磨く

文系出身者が理系出身者に追いつくためには、技術を磨くことが欠かせません。入社時点で知識の差がある以上、学習を続けてできるだけ早くその差を埋めることが大切です。

さらに、IT業界は技術の進化が速く、トレンドが次々と変わります。そのため、一度学んで終わりではなく、常に新しい技術を学び続ける姿勢が求められます。

私自身、インフラエンジニアとして働いていますが、近年のトレンドであるAWSについては仕事以外でも積極的に勉強しています。勉強を継続し、資格を取得することで自信にもつながるので、ぜひ技術を磨き続けてください。

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4-2.勉強する癖を身に着ける

エンジニアは、常に新しい技術を学ばなければならない職種です。学習を怠ると、トレンドに乗り遅れ、市場価値が下がり、エンジニアとしての評価にも影響を与えます。

また、学習習慣がある人は、そうでない人と比べて成長速度が圧倒的に速いです。私も文系未経験でこの業界に入りましたが、学習習慣を身につけることで、AWSの資格を3つ取得しました。その結果、転職時には「学習習慣があり、新しい技術にも素早くキャッチアップできる」という点を評価されました。

若手のうちは、学習意欲を評価されやすいよ!

学習を続けることは、成長を加速させるだけでなく、転職市場でもプラスの評価を得られる要素になります。ぜひ、学習を習慣化すること を意識してみてください。

4-3.社会人力を磨くこと

エンジニアといえども、コミュニケーション能力は非常に重要です。システム開発はチームで行うため、レイヤーごとに別のチームと連携する場面が多く、お客様と直接やり取りすることもあります。

特に大切なのがほうれんそう(報告・連絡・相談)です。エンジニアの仕事では、自分一人で解決できない問題に直面することが多々あります。そのとき、分からないことをそのままにせず、早めに相談することが大切です。

私も入社当初は「自分で解決しよう」と何時間も悩んだことがありましたが、先輩に聞いたら一瞬で解決したという経験があります。特に経験が浅いうちは、自分が知らなくても周りが知っていることがある ので、こんなことで悩んでいると伝えるだけでも、仕事がスムーズに進むことがあります。

また、課題解決力も重要です。技術的な問題だけでなく、お客様の業務課題を解決する視点を持つことで、より価値のあるエンジニアになれます。

4-4.自分本位にならないこと

エンジニアの仕事は、ただ技術を磨いてプログラムを書いたり、サーバを構築したりするだけではありません。大切なのは、その技術を使ってお客様の課題を解決することです。

自己満足で複雑なプログラムや高度なサーバ構成を作っても、それが運用しにくいものであれば意味がありません。常にこのシステムを使うのは誰か?運用する人は困らないか? を考えることが重要です。

私も設計をしているときに、運用者目線が抜けてしまい、上司に指摘されたことがあります。そのとき、エンジニアの仕事は自己満足ではなく、使う人のことを考えることが大切だと改めて実感しました。

エンジニアとして成長するには、技術力だけでなく、お客様や運用者の視点を持つことが欠かせません。このシステムは誰のためにあるのか?を常に考えながら仕事をすることで、より良いエンジニアになれるはずです。

5.まとめ

今回は、文系からシステムエンジニアはきついのかについて解説しました。
結論、文系からシステムエンジニアなれます!!

ただし、険しい道のりなのは間違いないです。
技術では経験者には勝てないので、自分の武器を見つけるところから始めてみてください!

今後も、インフラ系の情報を発信していきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。