フリーランスになって収入も上がったし、仕事も安定してる。でも、友人たちが
『後輩ができた』『昇進の話がきた』って話してるのを聞くと、ちょっと焦る。
自分もフリーランスのままじゃなくて、PMみたいにもう少し広い視点で仕事をしたい。でも、だからといって今さら会社員に戻る覚悟があるかと言われると、そこまで踏み切れないんだよな……。
でも、この記事を読むとフリーランスのままPMを目指すきっかけをつかむことが出来ます。フリーランスのままPMを目指すなら、案件選びが重要なんです。
現役インフラエンジニアとして、設計・構築を経験しながらPMを目指している立場から、具体的なステップを解説していきます。
目次
1.フリーランスでもPMになれる?
「フリーランスだと、上流工程やマネジメントの仕事には就きにくいのでは?」
そう考える人も多いかもしれません。
しかし、結論から言うと フリーランスでもPM(プロジェクトマネージャー)として働くことは十分可能です。
むしろ、フリーランスだからこそPMになりやすい理由がいくつかあります。
1-1.自分でPM案件を選ぶことが出来るから
フリーランスがPMになれる最大の理由は、自分で案件を選べることです。
一般的に、企業に属しているとPMのポジションに就くのは 30代後半~40代 になってからが多いです。
しかし、フリーランスであれば 20代でもPMの仕事に挑戦することが可能です。企業で働く場合は、経験を積んで会社から認められないとPMに昇進できません。
一方、フリーランスは スキルと実績があれば、年齢に関係なくPM案件に参画できるのが大きなメリットです。
また、フリーランスは「自分で仕事を決められる」という強みを活かし、
上流工程やマネジメントを含む案件を選ぶことで、キャリアを自由に設計できます。
1-2.PMの人材不足
そもそも 企業でPMを担う人材が減少しているという背景も、フリーランスPMの需要が高まっている理由の一つです。
PM不足が進んでいる理由として以下が挙げられます。
- 働き方改革やワークライフバランスの影響 で、PMのような責任の重い職種を敬遠する人が増えている
- 「責任を負うなら、それに見合う給料がほしい」という考えの人が多くなっている
- IT業界では技術を極めれば高収入を得られるため、PMよりも技術職を目指す人が増えている
企業では「PMなどの管理職にならないと昇給が難しい」というケースが一般的ですが、
IT業界では エンジニアとして専門スキルを高めることで高収入を得られる道があるため、
わざわざPMになりたがる人が減っています。
結果として PMの人材不足が加速し、フリーランスPMの需要が増しているのです。
1-3.企業の評価制度に縛られないから
企業でPMになるには、単にスキルがあるだけではなく会社の評価を得る必要があるというのが一般的です。
しかし、会社の評価制度には 「実力だけでは測れない要素」も含まれています。
例えば…
- 上司や経営層からの印象
- 人間関係や社内政治
- タイミングや運
このような要素が絡むため、実力があってもPMになれないケースもあります。
一方、フリーランスは 自分で案件を探すことができるため、評価制度に縛られません。
純粋にスキルや実績があれば、誰でもPMの仕事にチャレンジできます。
2.フリーランスのPMになる方法
フリーランスのPMになる方法はいくつかありますが、今回は3つのルートを紹介します。
それぞれの強みや特徴を理解し、自分に合った道を選ぶのがポイントです。
2-1.会社員PMから独立してフリーランスのPMになる
最も王道のルートは、一般企業でPMとして働いた後、独立する方法です。
この方法の最大のメリット は、企業で培ったPMの実務経験をそのまま活かせること。
私の知人にも、一般企業でPMを経験したのちにフリーランスのPMになった人がいます。
その人によると、「企業でPMを経験した」という実績は、案件に参画するうえで大きなアドバンテージになる」そうです。実際に、独立してすぐに大規模案件に参画できたと話していました。
IT業界では実務経験が重視されるため、会社員時代のPM経験があると 即戦力として評価されやすいです。
「すでにPM経験がある」「企業で一定のキャリアを積んでから独立したい」という人には、このルートが最適でしょう。
2-2.会社員から独立してフリーランスのPMになる
「会社員として働いていたけど、PMの経験はない」という人も、フリーランスのPMになることは可能です。PM経験がなくても、これまでの実務経験を活かしてマネジメントスキルを補うことができます。
例えば、以下のような経験がある人はPMに向いています。
- お客様との折衝経験(クライアントと仕様調整をした経験がある)
- 小規模チームのチームリーダー経験(チームをまとめたことがある)
- 派遣・BP(ビジネスパートナー)の管理経験(外部メンバーの調整をしたことがある)
特に SIer(システムインテグレーター) の経験がある人には、このルートがおすすめです。
SIerの仕事には、クライアントとの交渉やBPのマネジメント、技術的な理解など、PMに求められるスキルが多く含まれているからです。
「PMの肩書はないけど、これまでの仕事でマネジメント経験を積んできた」という人は、 実務経験をうまくアピールすればフリーランスPMとして活躍できる可能性が高いです。
2-3.フリーランスエンジニアからフリーランスのPMになる
すでにフリーランスエンジニアとして活動している人も、PMを目指すことができます。
この場合、まずは多くの案件に参画し、技術力や実務経験を積むことが大切です。
フリーランスとして経験を積むことで、
- プロジェクト全体の流れを理解できる
- エンジニア視点でのマネジメントができる
- 過去の案件で培った人脈を活かしてPM案件を探せる
という強みを持つことができます。
また、すでにフリーランスとして働いている人は案件の探し方にも慣れているため、会社員から独立する人よりもスムーズにPM案件へ移行できる可能性が高いです。
「まずはエンジニアとしてスキルを磨きつつ、徐々にPM案件にシフトしていく」という方法も、一つの戦略として有効でしょう。
3.PMとは
3-1.PMの仕事内容
PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトの目標を達成するためにマネジメント業務を行う職種です。
プロジェクトマネージャーの仕事は多岐にわたり、単にスケジュールを管理するだけでなく、プロジェクトの成功に向けてさまざまな要素を統括・調整する必要があります。
主な業務として、以下のようなものがあります。
プロジェクト計画の策定
プロジェクトを成功に導くためには、明確な目的と具体的な計画が必要です。PMは、プロジェクトの目標を定義し、それを達成するための詳細なスケジュールやマイルストーンを設定します。
また、関係者と調整しながら、タスクの優先順位を決め、各メンバーの役割分担を明確にします。
プロジェクトが計画通りに進行しているかを定期的に確認し、進捗が遅れている場合にはその原因を分析し、スケジュールの見直しやリソースの再配分など、適切な対策を講じる必要があります。
柔軟に対応しながらも、プロジェクト全体の方向性をぶらさずに進めることがPMの重要な役割です。
品質管理
プロジェクトの成果物(ソフトウェア、システム、ドキュメントなど)が求められる
品質基準を満たしているかを管理するのもPMの仕事です。
品質基準は、クライアントや関係者の期待を満たすために設定され、品質テストやコードレビュー、ユーザーテストなどを通じて確認されます。
また、品質管理のために開発プロセスの標準化や品質保証チームとの連携も求められます。品質に問題がある場合は、開発チームと協力しながら改善策を検討するなどの対応を取ります。
品質を守りつつ、スケジュールやコストとのバランスを取ることがPMの腕の見せどころです。
コスト管理
プロジェクトは限られた予算内で完遂することが求められます。そのため、PMはプロジェクトの各フェーズで発生するコストを把握し、無駄な支出を抑えながら適切にリソースを分配する必要があります。
具体的には、以下のようなコスト要因を管理します。
- 人件費
- ソフトウェアライセンスやツールの使用料
- 外部委託費
予定していたコストを超過しそうな場合は、その要因を特定し、スコープの調整やリソースの最適化などの対策を考えます。コスト管理が適切に行われていないと、赤字プロジェクトになってしまうため、PMにはコスト意識と細やかな調整力が求められます。
リスク管理
プロジェクトには、進行中に予期せぬトラブルが発生する可能性があります。たとえば、以下のようなリスクが考えられます。
- 仕様変更による工数増加
- 開発スケジュールの遅延
- チームメンバーの離脱(病欠や退職など)
- 技術的な課題(使用するツールや技術の問題)
PMはプロジェクト開始時に潜在的なリスクを洗い出し、事前に対応策を準備しておくことが重要です。
また、プロジェクトが進行する中で新たなリスクが発生した場合には、迅速に影響を評価し、最適な解決策を講じる必要があります。
リスク管理のために「リスクを予測し、発生を未然に防ぐ」ことが重要ですが、完全にリスクをゼロにすることは難しいです。
発生した際の影響を最小限に抑えるための計画(リスクヘッジ)を準備しておくことも重要です。PMの手腕が試される部分でもあり、プロジェクト成功の鍵を握る要素の一つです。
PMは、プロジェクトの最終的な責任を負う立場にあり、メンバーと協力しながらプロジェクトの成功に導く役割を担います。
3-2.PMOの仕事内容
PMと混同されやすい役割に PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)があります。
両者はどちらも「プロジェクトのマネジメント」に関わる職種ですが、役割が異なります。
プロジェクト管理
PMOの業務の一つに、プロジェクト全体の進捗を管理する「プロジェクト管理」があります。PMOは、プロジェクトのスケジュールが計画通りに進んでいるかを常にチェックし、必要に応じて調整を行います。
万が一、進捗に遅れが生じた場合は、その原因を分析し、適切な対策を講じることが求められます。例えば、人的リソースの再配置やスケジュールの見直しを行うことで、遅延を最小限に抑える工夫が必要になります。
課題管理
プロジェクトを進めるうえで発生するさまざまな課題を適切に管理することも、PMOの重要な役割です。例えば、クライアントとの調整が必要な事項が発生した場合、スムーズに合意形成できるようにサポートを行います。
また、プロジェクトの進行に影響を与える技術的な問題についても、システムの仕様変更や技術的な課題を把握し、解決策を検討します。これらの課題を適切に管理するため、PMOは「課題管理表」を作成し、発生した課題の一覧をリストアップするとともに、それぞれの対応状況を記録・管理します。
調整業務
プロジェクトを円滑に進めるためには、関係者の調整や作業環境の整備が欠かせません。PMOは、プロジェクトメンバーのスキルや経験を考慮し、適切な人材が適切なポジションに配置されるように調整を行います。
また、作業環境の整備もPMOの役割の一つであり、リモートワークや出社勤務のルールを策定したり、必要な機材(PCや開発ツールなど)を準備したりすることで、メンバーが業務を進めやすい環境を整えます。
標準化
プロジェクト全体の品質を一定に保ち、業務の効率を向上させるためには、作業のルールや成果物のフォーマットを統一する「標準化」が重要になります。
PMOは、例えばコードの命名規約を策定し、プログラムの可読性や保守性を向上させることで、開発の属人化を防ぎます。
また、ドキュメントのフォーマットを統一し、使用する単語の意味や全角・半角のルールを明確に定めることで、プロジェクト内での認識のズレを防ぎ、資料の品質を向上させます。
3-3.PMOとPMの違い
PMOとPMはどちらもプロジェクトのマネジメントに関わる職種ですが、それぞれの役割や責任範囲は異なります。
PM(プロジェクトマネージャー)
PM(プロジェクトマネージャー)は、特定のプロジェクトの責任者であり、プロジェクトを成功に導くことが最大のミッションです。
そのため、プロジェクトの計画策定や進捗管理、品質管理、コスト管理、リスク管理など、プロジェクト全体を統括する役割を担います。PMは意思決定の権限を持ち、発生した課題に対して最終的な判断を下す立場にあります。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
一方で、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、プロジェクト全体を監視し、
PMがプロジェクトを円滑に進められるように支援する立場です。
PMOの主な業務は、進捗管理や課題管理、標準化の推進、人材や作業環境の調整など、
プロジェクトがスムーズに進むようにサポートすることにあります。PMO自体が意思決定を行うことは少なく、PMの補佐的な役割を果たします。
つまり、PMはプロジェクトの最終責任を負い、直接プロジェクトを動かすリーダーであり、PMOはプロジェクトの運営を支え、進行をサポートする役割です。PMOがいることでPMの負担が軽減され、プロジェクト全体がスムーズに進行しやすくなります。そのため、特に大規模なプロジェクトではPMOの存在が重要になります。
4.PMの平均年収
4-1.PMの平均年収
正社員PMの平均年収は、dodaによると693万円です。
4-2.フリーランスPMの平均年収
一方、フリーランスPMの平均年収はレバッテクの案件一覧を見る限り、月55万~165万です。年収に換算すると660万円~1980万円になります。
https://freelance.levtech.jp/project/occ-43/
豊富な経験とスキルを持っていれば、年収1000万円も夢ではなく、正社員PMよりも稼ぐことが出来ます。
5.PMに向いている人
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトの成功を左右する重要な役割を担います。そのため、PMに向いている人にはいくつかの共通した素養があります。
5-1.責任感が強い
プロジェクトの成否を左右する立場だから
PMは、プロジェクトの成功に対して責任を持つポジションです。
納期・予算・品質・メンバー管理など、あらゆる要素に目を配る必要があり、問題が発生しても「自分ごと」として捉え、解決に向けて動ける人でなければ務まりません。
リスクやトラブルにも主体的に対応できる
PMは、進捗が遅れたり、顧客の要望が変わったりするなど、常に想定外の問題に直面します。「自分の責任ではない」と言い訳するのではなく、主体的に解決策を考え、関係者と調整できる人であることが求められます。
5-2.物事を客観的に見れる
感情的にならず、冷静な判断ができる
プロジェクトでは、関係者の意見が対立したり、厳しい選択を迫られる場面が頻繁にあります。例えば、
- 顧客の要望をすべて受け入れると納期に間に合わない
- 技術的に難しい仕様を採用すべきかどうか
- コストを削減するために人員を減らすべきか
このような場面で、感情や個人的な好みではなく、データや事実をもとに最適な判断を下せる人はPMとして成功しやすいです。
チームの状況を俯瞰し、バランスを取れる
PMはプロジェクト全体を見渡し、技術、ビジネス、コスト、スケジュールなどのバランスを取る役割を担います。
特定の視点(技術的なこだわりや、経営陣の意向)に偏ることなく、全体最適を考えられる客観的な視点が必要です。
5-3.ストレス耐性が強い
トラブル対応が日常的に発生する
プロジェクトでは、
- 仕様変更やスケジュールの遅れ
- 顧客とのトラブル
- メンバーの離脱や体調不良
といった予期せぬ問題が次々と発生します。
そのたびに冷静に対応し、適切な判断を下す必要があるため、ストレス耐性が強い人ほどPMとして活躍できます。
プレッシャーの中でも冷静に対応できる
PMは、経営層からのプレッシャー、顧客からの厳しい要求、チームメンバーの不満など、多方面からのプレッシャーを受けることが多いポジションです。
そのような環境の中でも、冷静に判断し、適切な対応ができる人はPMに向いています。
6.PMに求められるスキル
6-1.プロジェクト管理能力
PMの役割はプロジェクトを計画通りに進め、成功させることです。
しかし、現場ではスケジュールの遅延、仕様変更、リソース不足など、さまざまな問題が発生します。
プロジェクト管理能力がなければ、こうした問題に対応できず、プロジェクトが破綻する可能性が高くなります。
また、プロジェクトは複数のタスクが並行して進むため、どのタスクを優先すべきか、どのリソースをどこに割り当てるかを考える必要があります。
この調整ができなければ、メンバーの負担が偏ったり、進捗が滞ったりしてしまいます。
6-2.コミュニケーション能力
PMは開発チーム・クライアント・経営層など、さまざまな立場の人とやり取りをします。
それぞれが求めるものや考え方は異なるため、相手に合わせた伝え方をしないと、認識のズレが生じます。
例えば、クライアントの要求をエンジニアにそのまま伝えてしまうと、技術的に実現不可能な内容になることがあります。
また、エンジニアの専門的な話を経営層に説明する際には、ビジネス的な視点に置き換えて伝えないと、正しく理解されません。
こうした「相手に合わせて伝え方を変える力」がないと、関係者間で誤解が生じ、プロジェクトの進行に悪影響を与えてしまいます。
6-3.技術力
PMはエンジニアと一緒に働く立場です。
技術の知識がなければ、メンバーと適切な会話ができず、非現実的なスケジュールを組んだり、無理な仕様変更を受け入れたりしてしまう可能性があります。
例えば、クライアントが「この機能を追加してほしい」と言ったときに、PMが技術的な難易度を理解していれば、「それは難しいので、代替案を提案しましょう」「この機能を実装するには、追加で1カ月必要です」と、適切に判断することができます。
しかし、技術知識がなければ、「やります!」と安請け合いして、開発チームに無理をさせることになりかねません。
6-4.ビジネススキル
プロジェクトは「システムを作ること」自体が目的ではなく、ビジネス目標を達成するために行われる」ものです。
そのため、PMがビジネスの視点を持っていないと、「技術的にはすごいけど、売上につながらないシステム」「クライアントが本当に必要としているものを提供できていない」
といった事態を引き起こします。
また、コストや投資対効果を考えずにプロジェクトを進めると、赤字になってしまうこともあります。PMは「このプロジェクトにどれだけのコストをかけ、どれだけの利益を得られるのか?」を考えながら動く必要があるため、ビジネススキルが求められるのです。
6-5.問題解決能力
プロジェクトでは、必ず想定外の問題が発生します。
「リソース不足」「スケジュール遅延」「仕様変更」など、計画通りに進まないことは日常茶飯事です。
このとき、PMが問題解決能力を持っていないと、「問題が起きました!」で終わってしまい、プロジェクトが進まなくなってしまいます。また、「誰のせいでこうなったのか?」という責任追及に時間を費やすことになります。
逆に、問題解決能力があるPMは、「今できる最善の策は何か?」を考えて、すぐに動くことができ、「どうすればこの問題を回避できるか?」と、チームと一緒に解決策を探すことが出来ます。
問題が起きたときに、冷静に分析し、次の一手を打てる人でなければ、PMは務まりません。
6-6.政治力・交渉力
PMはプロジェクトの利害関係者と常に交渉しなければなりません。例えば、
- クライアントが「もっと安くしてほしい」と言ってきたときに、適切なラインを交渉する
- 開発メンバーの負担が増えすぎないように、スケジュールや仕様を調整する
- 社内の上層部に追加の予算や人員を確保してもらうよう説得する
この交渉がうまくできないと、
- クライアントの無茶な要求をすべて受け入れてしまう
- 開発メンバーが疲弊して、プロジェクトが崩壊する
- 経営層からの圧力で、無理な計画を押し付けられる
特に大企業や大規模プロジェクトでは、社内政治の影響を受けることもあるため、
うまく立ち回る力(政治力)も求められます。
6-7.豊富な経験
PMの仕事では、「100%確実な答え」がない中で決断を迫られることが多いです。
経験が少ないと、「どの選択肢がベストかわからない…」と迷ってしまったり、「前例がないからできません」と判断してしまう
一方、経験豊富なPMは、過去の似たケースと照らし合わせて、迅速に判断できたり、
「この状況では、こう動けばうまくいく」という直感が働きます。
また、プロジェクトを成功させるには、
「このメンバーならこういう進め方が合っている」「このクライアントはこういう交渉を好む」などの「場数を踏んだからこそわかること」もあります。
経験がなければ、「このプロジェクトは成功するか?」という勘所がつかめず、失敗するリスクが高まるのです。
7.フリーランスPMのメリット・デメリット
7-1.フリーランスPMのメリット
高単価で収入が上がる
フリーランスのPMは、 会社員のPMと比べて単価が高いことが多いです。
PMの単価は 月100万円以上 になることも珍しくなく、スキルや経験次第では月150万円〜200万円の案件もあります。
なぜ高単価になるのか?
- 企業が「即戦力のPM」を求めているため、高い報酬を支払う
- 会社員と違い、企業の負担する社会保険や福利厚生費がない分、報酬が高くなる
- 企業が外部PMを雇う場合、正社員より柔軟に契約を調整しやすい
会社員の場合、年収が上がるには 昇給や昇進を待つ必要がありますが、フリーランスなら 自分のスキル次第で一気に年収を上げることが可能です。
働き方の自由度が高い
フリーランスPMは、会社のルールに縛られず自由に働くことができます。
- 案件を選べる→自分の興味のあるプロジェクトに参加できる
- 勤務時間の調整が可能→案件によってはフルリモートや時短勤務も可能
- 嫌な上司・会社のしがらみがない→人間関係のストレスが少ない
会社員のPMだと、会社の方針や異動命令に従わなければならないですが、
フリーランスなら自分がやりたい案件を選べるので、キャリアの方向性を自分で決めることができます。
さまざまな業界・企業の経験が積める
フリーランスPMは案件ごとに異なる業界や企業のプロジェクトに関わることができるため、経験の幅が広がります。
- 大企業の大規模プロジェクト
- スタートアップのスピード感のあるプロジェクト
- 金融・医療・製造・エンタメなど、さまざまな業界の案件
会社員の場合、同じ会社・同じ業界の案件ばかりになりがちですが、
フリーランスなら短期間で多くの経験を積めるので、PMとしてのスキルアップにつながります。
独立後のキャリアの選択肢が増える
フリーランスPMとして経験を積めば、将来的にさまざまな選択肢を持つことができます。
- フリーランスとしてそのままキャリアを続ける
- PMコンサルタントとして企業にアドバイスする立場になる
- 経験を活かして自分で会社を立ち上げる(起業)
- 再び会社員PMとして働く(ただし高年収で転職しやすい)
一度フリーランスPMとして実績を積んでおけば、どのキャリアにも進みやすいのが大きなメリットです。
7-2.フリーランスPMのデメリット
収入が不安定
フリーランスPMの最大のリスクは、収入が安定しないことです。
会社員と違い、固定給がないため、案件が途切れると収入がゼロになる可能性もあります。
- 案件が見つからないと収入がなくなる
- 契約が途中で終了するリスクがある(クライアントの都合で契約が切られることも)
- 病気やケガで働けなくなると収入が止まる(会社員のような有給・傷病手当なし)
特に案件が途切れるリスクを考えると、
「常に新しい案件を探しながら働く」必要があるため、精神的なプレッシャーが大きくなります。
すべて自己責任(社会保険・税金・経費管理)
フリーランスになると、会社員のように会社が税金や社会保険の手続きをしてくれないため、すべて自分で管理しなければなりません。
- 確定申告が必要→所得税・住民税・消費税などを計算して支払う
- 社会保険料が高くなる→健康保険・年金の負担が増える(会社員のように会社負担がない)
- 経費管理が必要→交通費・PC購入費などを自分で計上し、帳簿をつける
特に、確定申告をミスすると税務調査が入る可能性もあるため、
税理士を雇うなどの対策を取る必要があります。
案件獲得のスキルが必要
フリーランスPMは自分で案件を獲得しなければならないため、営業スキルや人脈が重要になります。
- 案件が途切れないように、常に営業活動が必要
- 単価交渉や契約交渉を自分でやらなければならない
- コネクションがないと、案件が取りにくい
特に駆け出しのフリーランスPMは案件を獲得しづらいため、最初はエージェントを活用するのが一般的です。
福利厚生・退職金がない
会社員であれば、
- 健康保険・厚生年金
- 有給休暇
- ボーナス・退職金
などの福利厚生が充実しています。
しかし、フリーランスになるとこれらがすべてなくなるため、病気やケガで働けなくなったときのリスクが大きいです。また、退職金がないので、自分で老後資金を用意する必要があり、仕事を休むと収入がゼロになります。
そのため、フリーランスPMとして働く場合は、収入の一部を貯蓄や保険に回すなど、自分でリスク管理をする必要があるという点を理解しておく必要があります。
8.まとめ
今回は、フリーランスからPMになれるのかについて解説しました。
結論、フリーランスからでもPMになれます!フリーランスからのほうがなりやすいかもしれません。
今後、フリーランスPMを考えている方は、まずは今の現場でスキルアップをすることをおすすめします。準備が整ってから動いてみましょう!
今後も、インフラ系の情報を発信していきたいと思います。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。